健康情報 > 生活療法講座 > 高血圧の人の運動療法

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適度な運動で高血圧を改善しましょう。

高血圧の人は運動を控えたほうがいいと思いがちですが、重症の高血圧以外の、一般に中等症以下の高血圧の人は適度な運動をすることにより、降圧効果が見られることがわかりました。

■ 運動療法によりあらわれる効果

  1. 血液中に、タウリン、ドーパミン、プロスタグランディンE2などの血圧を下げる働きをする物質が増加する。
  2. 血液中のカテコールアミン(ノルアドレナリンなど)、ウアバインなどの血圧を上げる働きをする物質が減少する。
  3. 交感神経の活動が適度に抑えられるため、さまざまな刺激に対して過敏に反応することがなくなる。
  4. 筋肉が鍛錬され、酸素の取り込みが効率よくできるようになり、血圧や脈拍が上がりにくくなる。
  5. 血流がよくなり、中性脂肪や悪玉コレステロールが減少し、善玉コレステロールが増加する。その結果、糖代謝がよくなり、血液がサラサラになる。
  6. 脂肪が燃えやすくなり、体内に脂肪がたまりにくくなるため、肥満予防になる。


■ 有酸素運動が運動療法に適しています。

運動療法がよい効果をもたらすのは、軽症から中等症(最小110mmHg〜最大180mmHg)の高血圧症の人です。
重症高血圧の人や合併症のある人は、運動は避けるようにしましょう。

高血圧の運動療法に適しているのは有酸素運動です。
その中でも一番よいのが、ウォーキングです。早歩きで息切れしない程度のスピードがよいでしょう。
水泳や水中歩行などの水中で行う運動も高血圧の人には向いています。浮力で体が楽に動かすことができ、心肺機能や体温調節機能も活性化します。

◆ ウォーキングのポイント

◆ どれぐらいの運動をしたらいい???
脈拍が手がかりになります。 まず、3〜4分間運動を続けたら、一時ストップして15秒間脈拍をはかります。その数字を4倍して1分間の脈拍数を算出します。
▼ちょうど最適な脈拍数の目安
 30代 120〜125
 40代 115〜120
 50代 105〜115
 60代 100〜110

運動の開始直後は、エネルギー源として筋肉内に蓄えられているグリコーゲンがぶどう糖に分解されて使われます。
5〜10分間ほど運動を続けると、筋肉内のグリコーゲンがなくなり、血液中の脂肪酸やぶどう糖がエネルギー源として消費されます。その後は、肝臓に蓄えられていたグリコーゲンや脂肪組織の脂肪が使われます。
そのため、脂肪が燃焼して運動療法としての効果を上げるためには、ある程度のエネルギーを消費する時間運動を続けることが必要です。脂肪の燃焼が一番活発になるのは運動開始後12分後と言われており、最低でも30分運動を続けなければいけません。

◆ 消費エネルギー量の目安
高血圧や肥満の改善を目的とした運動で消費するエネルギー量の目標は1日に約150キロカロリーが基準です。

▼各運動によるエネルギー消費量(日本体育協会スポーツ科学委員会資料改)

運動項目 エネルギー消費量補正係数 80kcal消費に必要な運動時間
(体重60kgの場合>
ウォーキング(散歩) 60m/分 0.0534 約25分
ウォーキング 70m/分 0.0623 約21分
ウォーキング(正常歩) 80m/分 0.0747 約18分
軽いジョギング 0.1384 約10分
軽い体操 0.0552 約24分
自転車 平地 10km 0.0800 約17分
階段(上る) 0.1349 約10分
階段(下りる) 0.0658 約20分
水泳(クロール) 0.3738 約4分
水泳(平泳ぎ) 0.1614 約8分
ゴルフ(平均) 0.0835 約16分
エネルギー消費量算出式「体重×運動時間×補正係数(上表)」


■ 運動療法する際の注意点

  1. 運動療法を開始する前に、主治医のメディカルチェックが必要です。運動時の心臓の動きを見る運動負荷心電図検査を受けて、どの程度の運動が適切かを主治医と相談しましょう。
  2. 特に中高年の方は、ストレッチやラジオ体操などの準備運動(ウォーミングアップ)を10分ほど怠らないようにしましょう。
  3. 暑い寒いなどの気候の悪い時期は、室内で運動しましょう。
    真夏の炎天下の下では熱中症が心配されますし、冬の寒さは血圧を急に上昇させたりします。
  4. 水分補給をしっかりと!
    運動して汗をかいたまま水分補給せずにいると、血液中の水分が不足し、血液の粘度が増してドロドロし固まりやすくなります。血圧が高い人は、それにより心筋梗塞や脳梗塞を起こすこともあります。


■ こんな時は運動を中止しましょう!


  1. 熱が37度以上ある。
  2. 血圧がいつもより20mmHg以上高い。
  3. 脈拍が90/分以上ある。
  4. 手足がしびれる。
  5. 気分が悪く、冷や汗や吐き気がする。
  6. 動悸・息切れがいつもより強い。
  7. 筋肉や関節が痛む。